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子の監護・引渡しをめぐる紛争の審理及び判断に関する研究 【司法研修所編(司法研究報告書第72輯第1号)】

 本司法研究は、父母による子の監護をめぐる近年の変化を契機に、子の監護者指定等について新たな判断枠組みを提唱するとともに、手続運営の実践面を整理し、提案するものである。
 検討すべき課題の多い紛争類型であるが、研究員及び協力研究員は、子が安定した生活の中で幸せに成長できることを切に願いながら検討を進め、そのために当事者や手続代理人弁護士に期待する役割や裁判所(裁判官、家事調停委員、関係職種)が果たすべき役割について整理を試みた。併せて、経験の浅い実務家にとっても理解しやすい判断枠組みや手続運営の在り方を示し、子の利益を実現するための活動につなげていただくことを意識した。
 研究員は、研究期間中に実際の事件処理において、子の利益の観点から四つのポイント(着眼点:�―樵阿隆童郛�況、��監護態勢、��子との関係性、�ぢ省�の親と子の関係に対する姿勢)を意識して父母による監護の評価を試みたところ、手続運営においても、家庭裁判所調査官とのカンファレンス等においても、多角的な検討がしやすいとの感想を持つことができた。
 本司法研究は、子の監護者指定等についての判断や手続運営についての一つの提唱・提案であり、今後の実務において検証されるべきものではあるが、子の利益にかなうより良い紛争解決に向けた一助になれば幸いである。
 なお、令和6年5月17日に民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号。以下「改正法」という。)が成立し、親権者の定めや子の監護に関わる法制度が改正された。本司法研究は、改正法施行前の現行法下における子の監護をめぐる紛争について、判断枠組みや着眼点の整理を図るものである。現行法下のこのような紛争は、改正法施行後には実体法上の根拠や手続の位置付けが変わり得るところであり、これから議論を深めることが求められているが、父母の別居や離婚に伴い、子が父母のいずれと生活するかをめぐる紛争がなくなるとは考えられず、これに対して裁判所が一定の判断をする場面があることには変わりがないといえる。本司法研究による現行法下の判断枠組みや着眼点の整理は、改正法の下でこのような紛争に係る事案の審理の在り方を検討するに当たっても役立つものと考えている。
(はしがきより)(A4判 204頁/2024.5刊行/送料350円)

【目次抜粋】
第1章 子の監護者指定の判断枠組み
第1 本章の構成
第2 子の監護者指定等事件の特質
第3 子の監護者指定の判断枠組みをめぐる従前の議論の状況
1 本項の目的
2 先行文献における議論の状況
3 小括
第4 指定研究の概要
1 本項の目的
2 子のニーズの概念
3 子のニーズの分析・整理
4 小括
第5 諸外国の制度とその運用の状況
1 本項の目的
2 米国の状況
3 イギリスの状況
4 ドイツの状況
5 フランスの状況
6 小括
第6 子の利益の観点からの判断枠組みの提唱−四つのポイント(着眼点)による父母の監護の評価−
1 はじめに
2 子の監護者指定の判断枠組み
3 事案の特性に応じた判断の在り方
4 新たな判断枠組みにおける従前の考慮要素の位置付け
5 まとめ
第2章 審判前の保全処分
第1 本章の構成
第2 審判前の保全処分の概要
1 審判前の保全処分
2 審判前の保全処分の要件
3 審判前の保全処分の性質・効力等
第3 審判前の保全処分の判断枠組み
1 はじめに
2 本案認容の蓋然性の判断枠組み
3 保全の必要性の判断枠組み
4 子の監護者の仮の指定のみの申立てがされた場合における保全の必要性の判断枠組み
第4 保全事件の審理の在り方
1 本案認容の蓋然性と保全の必要性の審理の重なり合い
2 保全事件の審理の在り方
3 当事者として留意すべきこと
4 裁判例の状況
第3章 子の監護者指定等事件(保全事件を含む。)の手続運営の在り方
第1 本章の構成
第2 子の監護者指定等事件の手続における当事者及び裁判所の活動の概要
1 当事者の活動
2 裁判所の活動
第3 段階に応じた具体的な手続運営
1 第1回期日まで(審判事件)
2 第1回期日(審判事件)
3 調査官調査(審判事件)
4 調査官調査後の手続運営(審判事件)
5 調停事件の手続運営
第4 保全事件が申し立てられた場合の手続運営
1 総論
2 当事者の活動
3 裁判所の活動
別紙
1 子のニーズの観点表(枠組み)
2−1〜6 子のニーズの観点表(年代別)
3 考慮要素表
4 対応目安表
5 子の監護者指定に関する裁判例(一覧表・【1】〜【30】)
6 審判前の保全処分に関する裁判例(一覧表・【a−1】〜【f−3】)
型番 ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4866841175
販売価格 3,600円(税込)
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